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zoom RSS 俺の翼はいつまでも

<<   作成日時 : 2016/12/02 10:58   >>

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川上健一の「翼をいつまでも」を読了。 

今から15年前の作品だが、古びることもないとてもドラマチックな青春小説だった。

ビートルズが初めて日本に入ってきたときの中学二年生のひと夏の経験が描かれている。

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うぶで、女の子への接し方も分からず、ただ性への好奇心だけ山盛りにあったあの頃の自分を思い出してしまった。


昔、このプログで書いたことがあるかもしれないが、もう一度書いておこう。

中学のときに神奈川から転校してきた子がいた。

小柄で整った顔立ちをしたその子は、流暢な標準語を話し、その響きを聞いているだけで、まだ見ぬ都会に少し近づいたような気がしていた。

悪友のMがその子に惚れてしまい、ある夜に「久保田、彼女の家が分かったから、会いにいかんか。」と俺を誘ってきたのだ。

俺はその頃別に好きな子がいたので、軽い気持ちで夜の冒険を受け入れてしまった。

半袖着ていたので、夏休みのことだったのかもしれない。

三段変速の俺の自転車と五段変速のMの自転車を連ねて、星のまたたき出した山中温泉の夜道を菅谷町から、
東桂木町までこいで行った。

大聖寺川の上流から下流に向かう道なので、下り坂が続き、少し生ぬるい夜風が心地よかった。

「ここやと思う。あの二階の窓が彼女の部屋や。」

どうやって調べたのか分からないが、Mは緊張しながらそう言った。

「呼んでみっか。」

夜八時くらいだったので、小さな声で数回彼女の名前を読んでみたが、出てくる気配がない。

窓には明かりがついており、いることは確かなようだ。

昔、映画で見た知識を思い出して、こう提案した。「小さい石を投げてみんか。」

ガラスが割れることのないような小さな石を手に取り、窓めがけて投げてみた。

シャリンと小さな音がして石は下に落ちてきた。

まだ出てくる気配がないので、今度はもう少し大きな石を手に取って投げようとしたとき、ガラス窓がいきなり開いた。

ネグリジェ姿のHが驚いてこっちを見ている。

中学生がネグリジェなんて着ているなんて思わなかった俺たちは、部屋の明かり越しに透けて見えた彼女のラインにはっとしてしまった。

「久保田くんとMくん?何してるの。」

「Mがお前に会いたいって言うから、来たんや。」と俺。「降りてこんけ?」

「ちょっと待ってて着替えるから。」

窓を急いで閉めた彼女は五分後に玄関から出てきた。

三人でどこかの公園へ行った記憶があるが、その辺りの記憶は定かではない。

ただ、行くときにMが、「俺の自転車の後ろに乗っていかんか?」と勇気を出して誘ったことは覚えている。

「あたし、久保田くんの後ろがいいなあ。」

ちょっとハニカミながら、彼女はそう言ってくれた。

俺はその申し出がとても嬉しかったけれど、今回はMのために身を引くことにした。

「俺の自転車、タイヤ古くて穴開きそうなんで、二人乗りはムリや。Mのに乗ってくれや。」

彼女は少し残念な顔をして、Mの自転車に乗り、Mはバカみたいなうすら笑いを浮かべながら、自転車をこぎ出した。

それからのことは全く覚えてないが、Mはその後別の女の子と付き合い、ふられていたことだけは覚えている。

彼は大人になって数度結婚し、会うたびに違う奥さんを連れていたが、それはそれであいつらしくて、憎めなかった。

あの夜呼び出した彼女は、どこの高校へ行ったかも分からず、同窓会にも来たことないので42年会っていない。

今はどこかでいいお母さんかお婆さんになっているのだろう。

俺がこんな感じでたまに思い出すように、彼女もあの夜のことを覚えてくれるだろうか。

「ママは昔モテてね、夜会いにきてくれた男の子たちがいたのよ。」と娘に話したりしてくれただろうか。

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中学時代に戻りたいとは思わないが、あのいろんなものに興奮し、怯えていた時代の感覚だけは、大切な宝物だと思う。


今日はそんなこんなで青春ブログ。

ポチリたのみます。 




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